体外受精成功を左右する!卵子とグレードの関係

体外受精成功を左右する!卵子とグレードの関係
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体外受精をするには、卵子の質を見極めることは必要不可欠です。卵子の質は、受精のしやすさや子宮への着床のしやすさに影響を与えるためです。体外受精を行う際には、受精卵が細胞分裂をして胚になる段階でグレード分けがされることをご存知でしょうか。今回は、体外受精と受精卵のグレードについて解説をします。

体外受精における卵子のグレードとは?

体外受精成功を左右する!卵子とグレードの関係
体外受精をするときには女性の体内から卵子を採取し、培養器の中で受精させます。受精した後も専用の容器の中で培養します。受精したときに1つの細胞だった受精卵は、やがて細胞分裂を始め胚と呼ばれる状態に成長していきます。受精2日後には細胞が4分割され、3日後には8分割されます。この段階の胚を「初期胚」と呼びます。一度細胞分裂をした受精卵は、その後互いにくっつきはじめるのです。受精4日後に「桑実胚」、受精5日後には「胚盤胞」と呼ばれる状態に変化していきます。体外受精を行い、胚を子宮に戻すタイミングは初期胚もしくは胚盤胞のどちらかです。胚の状態は妊娠のしやすさに大きく関係してくるために、きちんと状態を把握しておく必要があります。これらの理由から、胚の状態は決められた条件によってグレード分けがされるのです。グレードは受精卵の質の高さや、着床のしやすさを表しています。グレードは、体外受精の成功と失敗を見分けるための指針でもあります。女性の子宮に受精卵(胚)を戻した後、着床するかどうかは卵子の状態によって確率が変わってきます。受精卵や胚の質を表す明確な基準を設けることで、体外受精の経過を正確に把握でき治療を受ける人も安心しやすいと言えます。

初期胚のグレード分けの中身は?

初期胚のグレードは「細胞分裂した後の割球のサイズが均等であるか」「細胞分裂後、フラグメントと呼ばれる細胞の細かい断片ができないか」によって決定されます。割球が均等で、フラグメントが少ない胚が良質なものと判断されるのです。状態が最も良い胚はグレード1と呼ばれ、グレードの数が増えるにつれて質は低下していきます。グレード1に当てはまる胚は、細胞の分裂が均等でフラグメントが全くないものを指します。次にグレード2は細胞の分裂が均等でありつつ、フラグメントが全体の10%以下である場合を指します。グレード3は、細胞の分割が不均一でありフラグメントが全体の10%以下である場合を指します。グレード4とグレード5はフラグメントのパーセンテージがさらに高くなっていき、細胞の分割も不均一です。初期杯の移植は、体外受精の手法が確立された当時から行われています。多くの病院で行われているのは、受精から3日経った胚の移植です。とはいえ、初期胚の状態は安定しきった状態とは言い難いことも事実です。子宮への移植の対象となるのはグレード1から3までの良質な胚のみに限られます。

胚盤胞のグレードの分け方とポイント

体外受精成功を左右する!卵子とグレードの関係
次に胚盤胞のグレードに着目してみましょう。胚盤胞は、成長段階を1~6に分けます。胚盤胞のグレードはABCの3段階で評価をします。胚が成長を続け、3段階目の形態に差し掛かると内細胞塊と栄養芽細胞と呼ばれる組織が発達をします。そこで、この内細胞塊と栄養芽細胞にもグレードが付けられることになります。胚盤胞の状態は「5AA」や「3BB」のように評価が下されます。頭に付いている数字は、胚盤胞が6つの段階の内どの段階に該当するものであるかが示されており、すぐ後ろに2並んでいる英数字は内細胞塊と栄養芽細胞のグレードです。内細胞の塊が大きいほど良質な胚と証明され、グレードはAに該当することになります。胚盤胞のグレード分けは、初期胚のグレード分けよりも少々複雑です。質の高い胚盤胞を作り出すことは、体外受精を成功させるための重要なポイントになるため、胚に含まれるそれぞれの細胞の状態を正確に把握する必要があるのです。胚盤胞を子宮に移植するメリットには「質の良い胚を選別できること」と「初期胚よりも着床率が高いこと」などが挙げられます。また、胚の中には胚盤胞に達するまでに成長が止まってしまうこともあります。移植がキャンセルになってしまうケースもあるため、どこまで培養し子宮に移植するかは判断が難しい一面もあります。

グレードの高い胚盤胞は妊娠率が高い

専用の容器内で培養された胚が子宮に戻されるタイミングは、一昔前の体外受精では、初期杯の状態で子宮内に移植をすることが一般的でした。しかし、技術の進歩により受精卵を胚盤胞の状態にまで培養してから体内に戻すことができるようになったのです。着床率は、グレードが高い胚はある程度培養してから子宮に移植するほうが高いためです。妊娠率が高まるため、体外受精をする際にはできるだけ良質な受精卵を胚盤胞にまで育ててから体内に戻すことが望ましいと言えます。しかし、実際には初期胚の状態で子宮内に移植されることは少なくありません。胚盤胞の状態になるまで胚を培養するためには「良質な受精卵であること」が前提であるためです。良質な受精卵でなければ、培養器の中で胚盤胞の状態になるまで培養することは難しいと言えます。培養器の中で胚盤胞の状態にまで育たない胚を子宮に戻したとしても出産に至る確率は低くなるおそれがあります。しかし、年齢を重ねていて卵子の数が少ない場合などは、せっかくできた受精胚を子宮内に戻さない選択を医師がしてしまうと、女性の同意を得られないケースもあるのです。また、体外受精にかかる費用は決して安価ではありません。胚盤胞の状態になるまで体外で培養をするとなると、追加費用が掛かってしまうケースもあります。

胚移植のタイミングを見極めることも大事

体外受精を行う際には、胚移植のタイミングを見極めることも必要です。胚移植のタイミングは、一般的に担当の医師によって判断されます。採取したいくつかの卵子から、良質な胚を複数個作り出せた場合は胚盤胞の段階で移植することが多いようです。一方、作り出せた受精卵の数が少なく胚盤胞まで育つ確率が低い場合は、初期胚での移植が一般的です。体外受精を成功させるためにも、卵子の質とグレードの基本は身につけておきましょう。
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