体外受精で気になること!卵子は凍結しても大丈夫なの?

体外受精で気になること!卵子は凍結しても大丈夫なの?
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体外受精とは男性と女性の体から精子と卵子を採取し、培養器の中で受精させてから女性の子宮に戻す治療方法です。体外受精を行う際には、女性の体から卵子を採取することが必要です。女性の体から卵子を採取すると、卵子を凍結することが不妊治療の現場で一般的になっています。しかし、卵子を凍結することは受精に影響を与えないのでしょうか。今回は、体外受精を行う際に卵子を凍結することのメリットとデメリットを併せてご紹介します。

卵子の凍結保存とは?

体外受精で気になること!卵子は凍結しても大丈夫なの?
卵子の凍結保存は、液体窒素を用います。まず、女性の体から成熟した卵子を取り出します。その後、培養器で卵子と精子を受精させて受精卵(杯)を作り出し、液体窒素に受精卵を付け一気に冷凍します。液体窒素の温度はマイナス196度です。瞬時に冷凍された受精卵はその後保存されます。受精卵の凍結保存技術は1990年に現場に普及しました。受精卵の凍結保存は高度な技術を必要としますので、受精卵を生きたまま凍結したり溶かしたりすることは難しいとされていました。のちに、受精卵へのダメージを最小限に抑えることができる「ガラス化法」が考案され、受精卵の凍結保存はより一般的なものになりました。受精卵を凍結することで、質が低下したり妊娠率が下がったりなどのデメリットがあると想像してしまう人も少なくありません。しかし、実際には妊娠率の向上に繋がっています。卵子や受精卵の凍結保存は、不妊治療の現場でなくてはならない技術のひとつといっても過言ではありません。

卵子を凍結させることのメリット

卵子を凍結させることによって得られるメリットとしては「子宮に戻すタイミングを選べる点」と「妊娠率が高まること」が挙げられます。まず、体外受精を受けるうえで知っておきたいのは「凍結保存をすることによって卵子の質自体が向上するわけではない」ということです。受精卵や卵子は生きているため、凍結すると多少のダメージは受けます。凍結した受精卵を使用すると妊娠率がアップするのは「子宮に戻すタイミングを選びやすくなること」に関係しています。もともと、一昔前の体外受精の現場では取り出したばかりの卵子と卵子を元に受精卵を作り出し、子宮内に戻す方法が一般的でした。しかし、妊娠率は卵子の質だけではなく女性の体の状態によっても変動します。採卵誘発剤を使用した後の女性の体は、受精卵を育むために万全な状態とは言いきれません。妊娠しにくい状態の女性の体に受精卵を戻しても、うまく着床はできません。現在、不妊治療の現場では取り出した卵子を受精させた後受精卵を全て凍結保存させ、タイミングを見計らい子宮に戻す方法がとられています。この方法を「フリーズ・オール」と呼びます。

体外受精の妊娠率は凍結保存でアップする

体外受精で気になること!卵子は凍結しても大丈夫なの?
女性の体から卵子を採取する際には、卵子を十分に成熟させるために排卵誘発剤やホルモン製剤を投与することもあります。しかし、これらの薬剤を投与することは子宮に影響を与える場合もあるのです。排卵誘発剤やホルモン製剤を投与することで、卵巣が腫れてしまったり、子宮内膜が薄くなってしまったりするケースです。子宮内膜とは、受精卵が着床するベッドのような役割を担っています。子宮内膜が薄くなってしまった場合、体外受精によって生まれた受精卵を子宮に戻しても、うまく着床しにくくなります。凍結保存をしていない受精卵は「フレッシュ」「新鮮杯」と呼ばれています。一見すると妊娠に繋がりやすいような名前を持つ受精卵ですが、凍結保存をした受精卵を子宮に戻すよりも妊娠率は低いといわれています。「凍結保存をした受精卵を使用する場合、子宮内膜が良好な状態を見計らって受精卵を子宮内に戻すことができる」ため、受精卵の質がフレッシュよりも劣っていたとしても妊娠しやすくなるのです。フレッシュを使用する場合、凍結保存をしないことから排卵誘発剤を投与してすぐの体に受精卵を戻さなくてはなりません。しかし、凍結保存をした受精卵を使用する場合、良好な状態の子宮内膜に受精卵を戻すことができます。結果的に着床がスムーズに進み、妊娠率がアップします。凍結保存をした受精卵を使用することで、妊娠率は1割程度向上するといわれています。

多胎妊娠によるリスクも軽減

体外受精のリスクとして多胎妊娠があげられます。多胎妊娠とは、一度に複数の受精卵を子宮に戻すことによって、双子や3つ子などができやすくなることを指します。双子や3つ子の妊娠を望んでいる場合は問題ありませんが、ケースによっては問題に発展しかねません。また、多胎妊娠は母子の健康状態に悪影響を与える場合もあり危険です。凍結技術が進んでいなかった時代には、多胎妊娠の事例が多く報告されていました。しかし現在では凍結保存の技術が進んだことによって、受精卵をひとつずつ子宮内に戻すことができるようになり、多胎妊娠のリスクを回避できるようになったのです。ほかにも、凍結技術が進んだことによって「卵子を長期的に保存できるようになったこと」にも注目が集まっています。凍結した卵子は、半永久的に保存が可能です。卵子をひとつずつ保存する場合の費用は、機関によって異なりますが数万円程度といわれています。子宮に戻す時期を選べることで、女性のライフプランと妊娠計画の両立が行いやすいようになりました。しかし、「さらに晩婚化が進むことでハイリスク妊娠が増える危険性もあるのではないか」という見解もあり、議論を巻き起こしています。

質の良い卵子の凍結も可能に

「受精卵や卵子を凍結保存して体外受精に用いる」と聞くとマイナスイメージを連想する方も少なくありません。実際に、凍結保存をすることで受精卵の質が落ちることは事実です。しかし、女性の体が妊娠に向けベストな状態に整った頃合いを見計らい、受精卵を子宮に戻すことができるメリットがあります。一方で、法の整備が進むと卵子の凍結存もできるようになります。受精卵・卵子の凍結保存は多くの人にとってメリットに繋がり、これからも発展していく素晴らしい技術と言えるでしょう。
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