人工授精って自然妊娠とどう違う?前向きな不妊治療のための人工授精講座

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人工授精という言葉は聞いたことがあっても、実際にどのような不妊治療なのか詳しく知っている人はどのくらいいますか。女性には妊娠する能力が備わっており、妊娠したいときに当たり前のようにできると思いがちです。しかし、実際には自然妊娠が難しい女性も多く、世間的な思い込みから人に相談できないケースもあります。今回は、さまざまな観点から人工授精について説明していきます。人工授精に対する不安や悩みなどを解消し、少しでもポジティブな気持ちで不妊治療に臨めるようにしていきましょう。

人工授精と妊娠確率の関係とは?早めの人工授精がおすすめ

一般的に妊娠の確率は年齢が若いほど高く、年齢を重ねるほど低くなっていきます。実は人工授精も同様で、妊娠できる確率は若い人のほうが高いです。人工授精の1周期あたりの成功率は5~10%ですが、人工授精で妊娠できる女性の多くが6周期までには着床に成功しています。それより回数が多くなると成功率は低くなるので、6~12回を目安に次の体外受精に切り替える必要があります。人工授精の成功確率は自然妊娠とほぼ同じです。年齢別に見ていくと、20代では20%、30代では15%、40代では1~5%となっています。注目したいのは、20代でも自然妊娠の確率は決して高くないこと。若い女性なら誰でも妊娠できるとは限りません。35歳をすぎると卵子の質が大きく下がりますので、不妊であることに気づいたら早めに不妊治療に踏み切ることが大切です。
詳しくは、「人工授精をするなら知っておきたい!妊娠できる確率ってどれくらい?」をご参照ください。

気になる人工授精での妊娠… 自然妊娠との症状の違いは?

人工授精でも自然妊娠でも、妊娠による症状はまったく一緒です。一般的に妊娠初期の症状が出るのは、妊娠週数4週目。人工授精を実施するのが妊娠週数2週目あたりで、妊娠判定は4週目に行いますので、妊娠が成立していれば4週目あたりからさまざまな症状を感じるようになります。妊娠初期は胎児を育む環境を作るために、女性ホルモンの分泌量が大幅に増量する時期です。エストロゲンの影響では、乳房が張ったり痛みを感じたりします。プロゲステロンの影響では、常に熱っぽかったり吐き気がしたり、便秘や頻尿なども起こります。着床時に出血することもありますが、もし人工授精直後で妊娠が成立していない時期に出血や痛みがあれば、子宮や卵巣が炎症を起こしている可能性があるため、早めに病院で診てもらうようにしましょう。
詳しくは、「人工授精での妊娠!いつからどんな症状が出るの?」をご参照ください。

いち早く知りたい人工授精での妊娠の兆候とは?

人工授精による妊娠の兆候は、自然妊娠と変わりません。妊娠の初期症状が出るのは排卵から約2週間後ですが、その前に何らかの兆候を感じることもあまりありません。受精卵が着床したときに出血を認めたり痛みを感じたりするケースはありますが、何も感じずに妊娠判定を待つケースも多々あります。妊娠の兆候と勘違いしやすいのが、人工授精直後の出血や痛み。人工授精では子宮頸管カテーテルで精子を子宮に注入するため、まれに子宮を器具で傷つけてしまう場合があります。痛みがひどかったり熱が出ていたりすると、中で炎症が起きている可能性も否定できません。放っておくと症状がひどくなってしまいますので、様子見などの自己判断はせず、すぐに病院で診てもらうようにしてください。妊娠の兆候を感じなくても着床しているケースもありますので、リラックスして判定を待ちましょう。
詳しくは、「人工授精でも妊娠の兆候は同じ?どんな変化が起こるの?」をご参照ください。

いつわかる?人工授精したら妊娠が判明するのはどの時期?

人工授精では洗浄・濃縮した精子を人工的に子宮へ送り込みますが、受精卵になってから着床するまでの過程は自然妊娠と変わりません。妊娠がいつわかるのかについても、自然妊娠とほぼ同じです。子宮に入った精子は約1日かけて卵子のもとへたどり着き受精します。受精卵は1週間ほどかけて卵管を移動して、子宮内膜に着床します。個人差も考慮すると人工授精から着床までは1週間~10日ほどです。着床するとホルモン分泌が増量することで妊娠判定ができます。しかし、分泌量が一定以上に達していないと正確な判定はできません。妊娠がいつわかるのかは、一般的には次回生理開始予定日から1週間後となっています。医師による妊娠判定の場合は生理開始予定日に検査可能です。基礎体温を図っていると高温期が長く続くことで判断できますので、妊娠したい女性は基礎体温の計測をしてみましょう。
詳しくは、「早く知りたい妊娠!人工授精の場合はいつわかるの?」をご参照ください。

人工授精でも市販の妊娠検査薬使用可能?いつ使うべき?

人工授精で妊娠しても、受精から着床までのプロセスは自然妊娠と同じです。市販の妊娠検査薬は、次回の生理開始予定日から1週間後に使用可能となっています。妊娠をすると女性の身体は胎児を育てるために胎盤を形成します。そのために必要なのがヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンで、市販の妊娠検査薬は尿中に含まれるヒト絨毛性ゴナドトロピンの量で妊娠判定を行います。判定の正確性が高いのが特徴です。しかし、妊娠が判明するまでの間に黄体ホルモンの補充療法を行っている場合は、正確な判定ができません。生理開始予定日の2日前から使用できる検査薬もありますが、そもそも市販の妊娠検査薬による妊娠判定はフライング検査に当たります。自己判定と医師による判定が異なるケースもあるため、あまり焦らず、病院での正式な妊娠判定を待つようにしましょう。
詳しくは、「人工授精での妊娠!検査薬はいつから反応するの?」をご参照ください。

妊娠判定日って何?人工授精での妊娠では必ずするの?

人工授精を実施して次回生理開始予定日に生理がなかった場合、病院で妊娠判定を行う必要があります。人工授精から妊娠判定までは約2週間です。不妊の原因は人によっていろいろあり、原因によって治療方針が変わります。黄体機能不全の人は受精卵が着床しやすいように、人工授精から妊娠判定までの間、黄体ホルモンの補充療法を行います。この間は妊娠していなくても、妊娠判定の目安となるヒト絨毛性ゴナドトロピンの量が増えており、正確な妊娠判定はできません。黄体ホルモン補充は人工授精から10日ほど続き、そのあとに正式な妊娠判定を行います。妊娠検査薬によるフライング検査は過剰なストレスを溜める原因にもなりかねませんので、人工授精のあとは気持ちを落ち着けて正式判定までの日々を過ごすことが大切です。
詳しくは、「気になる人工授精!妊娠の判定はどうやってするの?」をご参照ください。

男性側の不妊要因… 運動率の低い精子でも人工授精で妊娠できる?

精子の運動率は、速い速度で直進する精子と、速度が遅く直進不良だけれど運動はしている精子の数を測定し、全体に占める割合がどのくらいかで割り出していきます。WHOの基準では、前進運動の下限基準が32%以上、総運動率が40%以上でないと、自然妊娠の可能性は低いとされています。人工授精では子宮内に精子を注入する前に、精子を濃縮して運動率を高めますので、運動率の低い精子には有効な不妊治療です。ただ、妊娠の確率は精子の運動率のほか、精子濃度や精子総数なども関わってきます。精子の質が低いと人工授精でも妊娠の成功率は低くなりますが、生活習慣や食生活の改善によって運動率を下限基準まで引き上げることができれば、妊娠の可能性も上がります。疲労やストレスを解消して、健康的な生活を心がけるようにしましょう。
詳しくは、「人工授精での妊娠!精子の運動率が低くても大丈夫?」をご参照ください。

多嚢胞性卵巣症候群と診断されたら?妊娠するための人工授精は有効?

多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣内に卵胞や卵細胞はあるもののうまく成熟できず、排卵が起こらなくなる排卵障害の症状です。ハッキリとした原因はわかっていませんが、男性ホルモンの増加や糖代謝異常などとの関連性が指摘されています。多嚢胞性卵巣症候群でも排卵さえできれば、妊娠は可能です。人工授精で妊娠を試みる場合、排卵誘発剤によって排卵を促す処置が一般的です。経口薬による排卵誘発で、多嚢胞性卵巣症候群の約8割の女性は排卵が期待できるようになります。一方、注射による排卵誘発剤の副作用がひどい場合は人工授精での妊娠が難しくなるため、体外受精に切り替える必要が出てきます。体外受精はたくさんある卵子の中から、質の良い卵子の選定が可能です。特に年齢を重ねた女性は不妊治療の時期が限られますので、人工授精から体外受精への切り替えは早いほうが良いでしょう。
詳しくは、「多嚢胞性卵巣症候群って何?人工授精で妊娠できるの?」をご参照ください。

なるべく早めに対処したいチョコレート嚢胞!人工授精で妊娠はできる?

子宮内膜とは子宮内に存在する上皮組織で、受精卵を迎え入れるために黄体ホルモンの働きによって成熟していきます。この子宮内膜が卵巣や大腸の表面、ダグラス窩など子宮内以外にできる症状を子宮内膜症といいます。子宮内膜が卵巣内にできると増殖と出血を繰り返しますが、通常の月経のように血液が体外に排出されるわけではありません。卵巣内に溜まった血液はやがて酸化し、チョコレートのような色と形状に変化します。腹腔鏡下手術によってチョコレート嚢胞のみを切除できれば自然妊娠も可能になりますが、患部が大きい場合は卵巣ごと切除する必要があります。チョコレート嚢胞は大きさやできた個数によって現れる症状の個人差も大きく、人工授精では妊娠が難しい場合もあります。人工授精ができないときは体外受精に切り替えるなど、臨機応変な対策が求められます。
詳しくは、「卵巣にチョコレート嚢胞?人工授精で妊娠は可能なの?」をご参照ください。

人工授精でも自然妊娠でも変わらない!前向きな気持ちで取り組んで

人工授精というと妊娠のために人の手が加わるので、女性としての能力が足りないのではないか?と人知れず悩んだり、不妊治療に踏み切れなかったりする人が多くいます。しかし、人工授精では人工的に精子を子宮内に送り込みはしますが、受精や着床の過程は自然妊娠とまったく同じです。人工授精は妊娠のためのひとつの方法にすぎません。恥じることなく、前向きな気持ちで、人工授精に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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